from ANOTHER
ANOTHER についてグッドラック・ジョナサン! 名前は不思議なもの。 「ANOTHER AFRICA:もうひとつのアフリカ」とは、アフリカでもっとも若い国・エリトリア生まれで、カナダ育ちNY在住の友人が始めたプロジェクトの名前だ。
ANOTHERという単語は、二つの単語でできている。英語教師に、ANOTHERは「AN OTHER」だと教わった。「OTHER=他」が一つだけに限定されるとき、「ANOTHER」になる。それ以来、気になるのだ。辞書なんかでANOTHERを見かけるたび、「ちょっと待って、君はAじゃなくて、Oのところに行くんじゃないの?」と。 けれど、「もうひとつ別の」と、「その他の」では、日本語のニュアンスも全く違う。あるかないか、あいまいな「その他」が、「もうひとつ」と言われると、突如、指で差してほらそこにいる、と言えるくらい、確かなものに聞こえてくる。「もう一杯の紅茶」ならいいのだけど「もう一人の私」とか「もう一人の恋人」と言い始めると、少しおかしなことになってくる。不確かなものも、本当にいるように感じるのだ。 ANOTHER AFRICAは、私たちに見えているアフリカに対して、「もうひとつのアフリカ」がある、ほらここに(*指で差し示して)、と断言している。ロゴのグラフィックにおいて、大陸の形は左右反転している。鏡の中のアフリカ。見ている私が立っているのはどちら側? 鏡の中? 外? それとも、世界が反転しているの? 「ANOTHER」のアルファベットを並べ替えると「ON EARTH」にもなるし「NO EARTH」にもなる。初めに言った通り、これはなぞなぞなのだ。
ANOTHER AFRICAのブログには、ナイジェリアの女たちの髪型を1000枚以上撮影したJ.D. Okhai Ojeikereの写真群や、The Masqueradeと題したPhyllis Galemboによる西アフリカの仮装衣装の記録、エリトリアの首都・アスマラの20年代の建築群などが、次々に紹介される。インフレで崩壊したジンバブエの紙幣が、ビルボードに貼られる様子も(まさしく”bill=紙幣”ボード!)。そんな「ANOTHER」にインスパイアされ、創造性で応えたコムデギャルソンやベルンハルトウィルヘルムのファッションにも触れる。 鏡の世界では、醜い美女と、美しい醜女が交互にあらわれ、世界で最も美しいものを決めるコンテストを繰り返しているのだ。片方がコンテストに勝つと、もう片方がANOTHERと呼ばれる。永遠に終わらないなぞなぞを繰り返して、女王が大笑いしている。 「道には誰も見えないんですけど」
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